有明海には、他の海域にはいない珍しい種が数多く生息しています。
ムツゴロウやワラスポなど国内で他の海域には生息しない有明海特産種が23種、ごく限られた海域だけに生息する有明海準特産種が40種以上もいるとされています。
これほど多くの特産種や準特産種が見られるのは、有明海だけです。
全て
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有明海の代表魚(魚類)
マアナゴ
マアナゴ
主な漁法 |
アナゴかご |
漁期 |
周年 |
旬 |
夏 |
方言 |
アナゴ |
大きさ |
体長40cm |
昼間に頭を穴の中から出した姿勢でいるため「穴子」と呼ばれています。頭の先でもぐる場所を選択して、尾の先から後ずさりしてもぐります。体に白点があるため 「ホシアナゴ」といわれることもあります。体のヌルヌルはたんぱく質の一種で、敵から身を守るのに役立ちます。天ぷら、蒲焼き、寿司だねなどにされます。
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有明海の代表魚(貝、タコ)
アサリ
アサリ
主な漁法 |
じょれん |
漁期 |
周年 |
旬 |
春・秋 |
方言 |
アサリゲ |
大きさ |
殻長4cm |
有明海のアサリは他の海域のものに比べ成長が早く、わずか1年で漁獲サイズに成長します。主にじょれんと呼ばれるカゴに柄のついた漁具でとられます。春と秋の年2回 産卵期を迎え、とてもおいしくなります。この頃は身が成熟し、殻いっぱいに身がつまっています。バター焼き、アサリ汁、味噌汁などにして食べます。
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有明海の代表魚(貝、タコ)
タイラギ
タイラギ
タイラギは三角形の形をした二枚貝です。有明海では主に水深10m位の海底でヘルメット式潜水器によって漁獲 されています。 主に貝柱と外套膜(ヒモ、ビラ)として出荷されています。貝柱はとても美味で、刺身、バター焼き、 塩焼き、寿司だね、粕漬けなどで食べます。 外套膜も刺身、酢の物にして賞味します。
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有明海の代表魚(貝、タコ)
サルボウ
サルボウ
主な漁法 |
じょれん |
漁期 |
周年 |
旬 |
春 |
方言 |
モガイ、ミクロゲ、アカガイ |
大きさ |
殻長5cm |
クマサルボウより比較的浅いところに生息しています。アカガイに似ていますが、それよりも小型で、殻のスジの数が少ないので見分けがつきます。じょれんと呼ばれる漁具で 船の上からとるため大変な労力と熟練を必要とします。主にむき身にして缶詰にされますが、ショウガ醤油で煮たり、佃煮などにも加工されています。
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有明海の代表魚(貝、タコ)
マテガイ
マテガイ
主な漁法 |
マテ堀り |
漁期 |
周年 |
方言 |
マテ |
大きさ |
殻長11cm |
マテガイは細長い棒状をした二枚貝です。砂泥域の干潟に穴を掘って生活しています。巣穴に塩を入れると、びっくりして出てくるのをつかみ出してとります。 その際余り力を入れすぎると、殻が軟らかいので割れてしまいます。マテガイは独特の風味があるので、一度ゆがいて酢味噌で食べるか、炒めて煮物などにします。
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有明海の代表魚(貝、タコ)
アカニシ
アカニシ
主な漁法 |
手どり |
漁期 |
周年 |
旬 |
春 |
方言 |
コウケ |
大きさ |
殻長10cm |
大人のこぶしくらいの大きさになる巻貝です。昼間は砂泥中で静止していますが、夜になるとアサリなどの二枚貝を襲って食べる、夜行性で肉食性の貝です。 貝殻はイイダコ漁のタコ壺に使われる他、貝細工にも用いられています。身は食用にされ、刺身や味噌あえなどにして好まれています。
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有明海の代表魚(貝、タコ)
イイダコ
イイダコ
主な漁法 |
タコ縄 |
漁期 |
周年 |
旬 |
秋~冬 |
大きさ |
体長30cm |
頭の中の卵が「飯(イイ)」に似ているためこの名がついたといわれています。大きさは手のひらよりも少し大きいくらいでタコの仲間では 小型のタコです。母ダコは卵がかえるまで大切に育てます。タコ縄と呼ばれるタコ壺でとられるほか、疑似餌を使ったカケ針で釣ります。丸のまま酢の物などにして食べます。
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有明海の代表魚(甲殻類)
クルマエビ
クルマエビ
主な漁法 |
エビ三重流し刺網、げんしき網 |
漁期 |
4月~11月 |
旬 |
周年 |
方言 |
セイマキ |
大きさ |
体長20cm |
クルマエビは背中に黒帯を巻いているように見えるため、有明海ではセイマキと呼ばれています。人口種苗の放流も盛んで、天然発生群より1~2か月ほど早く漁獲され 始めます。ほとんど活魚として出荷され、高値で取り引きされます。おどり喰い、刺身、塩焼き、天ぷらなどにして食べます。
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有明海の代表魚(甲殻類)
ガザミ
ガザミ
主な漁法 |
固定式刺網、かご |
漁期 |
周年 |
旬 |
初夏 |
方言 |
マガネ |
大きさ |
甲幅20cm |
有明海ではガザミのことを通称マガネと呼んでいますが、一般的にはよく泳ぐためワタリガニと呼ばれています。夜行性で昼間は砂の中にもぐっています。夕方から 朝にかけて餌をとるため、早朝に刺網などを揚げにいきます。2~3か月で10cm以上に成長し漁獲されます。雌は卵がおいしく、雄は肉がおいしいといわれています。
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有明海の代表魚(甲殻類)
シバエビ
シバエビ
主な漁法 |
エビ三重流し刺網 |
漁期 |
周年 |
旬 |
周年 |
方言 |
マエビ |
大きさ |
体長12cm |
有明海で漁獲されるエビ類の中では、クルマエビとともに代表とされる種類です。クルマエビほどではありませんが、シバエビも活魚として多く出荷されています。 また、値段もクルマエビに比べ安く、塩ゆで、煮つけ、天ぷらをはじめ、様々な料理に広く用いられています。
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有明海の代表魚(甲殻類)
シャコ
シャコ
主な漁法 |
流し刺網 |
漁期 |
周年 |
旬 |
春 |
方言 |
シャッパ |
大きさ |
体長15cm |
有明海ではシャコを専門に漁獲するのは少なく、クルマエビやシバエビに混獲されるものが市場に出荷されています。泥の中に巣穴を掘って生活し、夜に穴から出て餌をとります。 カマに似た強力な捕脚でカニから貝類まで何でも食べとても悪食です。麦の収穫される春に抱卵し、「麦シャッパ」といわれもっとも美味しくなります。
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有明海の代表魚(甲殻類)
アナジャコ
アナジャコ
主な漁法 |
アナジャコ釣り |
漁期 |
周年 |
方言 |
マジャク |
大きさ |
体長20cm |
干潟に穴を掘って生活しています。シャコに較べて殻は軟らかくザリガニのように見えますが、実はヤドカリの仲間です。有明海には、巣穴を見つけて 穴の中に筆を入れ、それを外敵と思って追い出しにきたアナジャコを釣り上げる独特のとり方があります。殻は軟らかいので丸ごとから揚げにして食べます。