福岡有明のり
全国3位の海苔養殖業
福岡県有明海では沿岸4市(大川市、柳川市、みやま市、大牟田市)の約540軒の生産者で、年間約11億枚、約150億円の水揚げがあり、全国3位の生産地です。
福岡県有明海は九州最大の川である筑後川や、筑後川と同じ一級河川である矢部川があり、最大6mにもなる干満差があるのが特徴です。
海苔養殖は、大きく分けて「浮き流し式養殖」と「支柱式養殖」の2つの養殖方法があります。
「浮き流し式養殖」は海苔網を海面に浮かべて行う方法で、海苔が基本的に1日中海面にある状態で養殖します。
一方、「支柱式養殖」は海の中に支柱を建ててそこに海苔網を取り付け、満潮の時は海面に浮かび、干潮の時は空中に浮いている状態で養殖します。
福岡県有明海では「支柱式養殖」で養殖されていて、6mの干満差を利用して、満潮の時は海苔が海に浸かり河川から運ばれてくる豊富な栄養分を海苔が吸収し、干潮の時は空中に出て乾いたりを繰り返すよう育てることで、旨味成分のアミノ酸を多く含んだ、柔らかくて甘みのある海苔が生産されるのです。
福岡有明のりの主な生産期は11月から3月までで、主に2期作で生産が行われています。11月と1月に一番摘みの海苔が採れていて、一番摘みは、香り豊かで口溶けも良く、舌の上に広がる旨みと甘さがあり、海苔本来の味わいと香りが濃いのが特徴です。
一番摘みの海苔は全体の生産量の約10%ほどしかない貴重で美味しい海苔のため、大切な人への贈りものとして利用されることが多いです。