INTERVIEW01

美味しい海苔で、たくさんの人達を笑顔にしたい。

美味しい海苔で、たくさんの人達を笑顔にしたい。

内田 明利海苔師

AKITOSHI UTHIDA

福岡県有明海区研究連合会 会長理事。母親が入院した事をきっかけに父親と共に海苔養殖を始めた。「福岡有明のりを多くの人たちに知って貰いたい」と語る。

福岡有明のりの良さを広めたい。

ーー 色と味は福岡が一番。

福岡有明のりは一口目の風味と歯切れ、口溶けの良さが特徴的であり、一般的には海苔と言えば黒色のイメージががありますが福岡有明のりは赤黒っぽい色をしています。海苔の生産は人それぞれで色んな方法があり、風味と歯切れがよい綺麗な赤黒く光った海苔を採るために試行錯誤しながら生産に努めています。
また、海苔本来の旨みを引き出す為には海苔にストレスを与えず素直に育てることが大切ですが、大切に育てすぎるのも逆影響であったり、栄養不足になってダメになる事があります。漁期を迎える度に海苔養殖は難しく、奥が深いなと思います。どんなに良い海苔でも加工時に形が崩れると買って頂けないので綺麗な形を作ることに気を付けています。

ーー 海苔師の喜びと苦労。

自分で考えて思った通りになった時と品質が良い海苔が沢山採れた時が凄く嬉しいです。加工した乾海苔が機械から出てくる瞬間が楽しく、どんな海苔が出来ているのかワクワクします。海苔養殖は自然と深く関わりのある漁業なので天候や海況に恵まれず、不作だった時が一番つらいです。
良い海苔を育てるためには雨量や気温が大事になります。またライバルが居ることで良い海苔を採るためのモチベーションになっており、漁場は広く同業者で量と質を競える面白さがあります。

ーー 海苔師としての目標。

もっと多くの人に福岡有明のりを食べて頂くことで認知度を上げ、子供たちも喜んで笑顔になれる美味しい海苔を作りたいです。もちろん、美味しい海苔の極みとして、海苔の品評会やコンテストでの入賞もしたいです。
また、近年は暖冬による漁期の短縮化や、カモによる食害、後継者不足、燃油他資材類の高騰など一次産業は非常に厳しい状況に立たされています。しかし、その逆境をバネとし、労働力を軽減する為に機械化をしたり、経営規模の強化に伴う養殖規模も大きくしていきたいと思います。